HELSINKI05|生活・思考


ヘルシンキ(オタニエミ)工科大学・メインビルディング内観/アルヴァ・アールト
学校が始まり課題がスタートしました。200mmの立方体の箱をつくるというものと、休暇のための小さな住まいです。
大野秀敏さんだったか誰かが言っていたと思うのですが、建築教育の国際化、つまり建築教育が世界的に同じようなものになっている感じがするという話がありました。実際のところ、要求される課題の質や内容は、日本と同じようなものだなあ、という感じがします。しかしながら、国際色豊かな場所で、異なる文化の人たちに対して自分の考えを適切に伝える、ということが一つ大きく違うところで、もう一つは課題に対してリアリティや明確なコンセプトをもっているということでしょうか。日本の場合、とにかくヴァーチャルなことだということが前提で、面白いものを作れ!というのが多い気がするし、それも面白いし、基礎としてそれがなくちゃだめだと思うし、十分グローバルスタンダードだと思うのですが、実際に素材に手を触れ作るというのはなかなか新鮮だし、フィンランドが作りあげてきた伝統のものなのでしょうか、興味深いです。
それと日本の建築家の知名度には度々驚かされます。とくにShigeru Banの知名度はすごいです。アメリカ人はディスカッションの際にギャラ間の日本語の本を持ってきたし、メキシコ人は「はだかの家」や「カーテンウォールの家」はまじすっげーよ、と言っていたし「トーヨーイトー」やら「キショークロカワ」やらいろんな名前が揚がります。そしてよく知っている。日本のパブリッシングのすごさ。「A+U」は本当に読まれているし(みんな「エープラスユー」と呼ぶので最初分からなかった)、僕が関わっていた雑誌も知られていました。大学の図書館にも見慣れた本がたくさんあります。
そんな感じで日々を過ごしていますが、最近は音楽を聴くことが楽しみの一つです。なぜかマイブラにはまっています。
そしてオンライン上にいる時間が長くなりました。いろんな人のブログを見るので数人の魅力的なブログに感化されがちです。やっぱり出来るだけ少ない言葉で淡々と状況を記述したいと思うのですが、よくも悪くも毎日が新しくて具体的なのでなかなか難しいです。特に考えず更新したいときに更新してしたくないときにはしない予定です。

HELSINKI04|学校・エクスカーション


オタニエミ礼拝堂(カイヤ&ヘイッキ・シレン)/安藤忠雄の「水の教会」はこれにインスピレーションを受けたものだそうだ。家から徒歩二分。

Laajasalo Church/Kari Jarvinen Ja Merja Nieminen Architects
プログラムのエクスカーションにて訪れる。シンプルな構成にややきつめのディテール。

内観

天井
小屋組のトラスはスティールの束と斜材を、ダブルの木材の梁が挟み込んでいる。内部の部材は全体的が細く、木材を無垢のまま使っている。特にエントランス部分の天井はベニヤの合板をそのまま使っていたのは正直いまいち。でも日本や世界で見る教会のいい意味で重く静謐な空間に比べて、そのおかげでずっと明るく開放的に仕上がっていると感じた。

おまけその1/寮の軒の出。これでよかったかな?>tsuyoshi

おまけその2/新入生を歓迎するHUTの学生。学部ごとに違うつなぎ着るらしい。
最近は大分寒くなってきました。いくつかのオリエンテーションやエクスカーションをしたりしながら、学校が始まりそうな気配です。何度も書いている気がしますが、語学の壁やらレジストレーションの困難やら何やらが幾分ストレスとなってきていますが、交換留学生や僕のような私費の学生たちとも出会えて楽しくやっています。
ところでこちらの新入生歓迎イベントはものすごかったです。新入生のために、それは外国人だろうがフィンランド人だろうが構わず、各サークルがそれぞれにゲームを用意して、それに参加するようです。僕も参加しましたが、正直言ってあまり楽しいものではありませんでした。しかし外国人はみんなノリがいい、、、
ところで、このヤメランタイバルという村。僕の住んでいる前のアパートでは連日連夜深夜(二時過ぎ!)までパーティーが行われています。響き渡る重低音を発信しているのは、大学でも有名な問題児たちのサークルのようです。「あのいつも同じ音楽をかけているやつらのことだろ」、とあるフィンランド人は言っていましたが、いつも同じ音楽を爆音でかけるおかげですっかり旋律を覚えてしまいました。

HELSINKI03|観光・アールト・その他


アールトの家/アルヴァ・アールト
外観はなかなか渋い。

内観。様々な素材に彩られて豊かでとてもいい感じ。作るならこういう建築を作るようになりたい。

ヘルシンキ工科大学建築学科棟/アルヴァ・アールト

フィンランド・デザインフォーラム
フィンランドのイッタラなんかのデザイン関連のものを扱うショップ。奥にはギャラリー。

おまけ/学食、取り放題2ユーロ

おまけ02/サルミアッキ
生活が落ち着いてきたので、またヘルシンキを観光したり、足りないものを揃えたり、スカイプを試したり、ネットをしたり、ネットをしたり、、、の日々を送っています。印象深かったのは、アールトの終末の家とデザイン博物館。前者は写真を載っけたやつです。
後者は、デザインフォーラムというお店です。デザイン博物館というミュージアムの展示に行ったのですが、正直いってこれまでフィンランド・デザインといわれてもピンときませんでした。デザイン博物館では主にイッタラの展示がなされていて、有名なもの(アールトの花瓶のような)から、イッタラの作家によるガラス工芸があったり、様々なガラス製品の製造過程のビデオが流されています。とてもシンプルな博物館なのですが、コンパクトでよくまとまっていて感心しきりでした。久々に本当に刺激的な展示を見た、という感じです。一つくらいちょっと高い花瓶なんて買ってもいいかも、、、なんて思いました。
その他細々とした発見はとっても多いです。人口密度もやはり低く感じるし、街並みも落ち着いているのだけれども、一つ一つのデザインがレヴェルが高く感じます。俗悪なものが見あたらないし、趣味の悪いものは殆どみたことがない。底が高いというのかな。伝統というか常識というか国民の意識というか。
最後の写真はサルミアッキというこちらのお菓子です。ちょっとサーチすればすぐに分かるはずですが、まずいことで有名。世界一不味い飴、というのがキャッチフレーズらしい(笑)。でも僕はとても好きです。黒くてしょっぱい、最後にちょっとすっとする。箱のデザインもなかなかグッド、だと思います。
明日からいろいろ学校がはじまります。そわそわする。

HELSINKI02|入居・レジストレーション


ヘルシンキ(オタニエミ)工科大学・メインビルディング/アルヴァ・アールト

居住している寮

シェアルームへの入り口

共有部分

独立型キッチン

my room(片付いていない、、、)

食べているもの(マッシュルームとソーセージの和風パスタ)
入居を済ませ、各レジストレーションを大方終えました。各の中身は、、、入居手続き、銀行口座の開設、国際学生課にて、認証手続き、仮学生証発行、それをもってフィンランド居住許可(マイストラッティ)をし、トラベルカードを発行、在フィンランド日本大使館にて在留届の提出、などです。その他、IKEAにて家具を揃えるという大きな任務があって、それが一番大変でした。全体的にフィンランドはやはり物価が高いですが、IKEAだけは安い!と思いました。なので買い込んでしまい、帰ってくるまで一苦労、、、ちなみにオタニエミ(学校の所在地)から最寄りのIKEAはバスで一時間もかかって途中でややこしい乗り換えなどがあるので本当に苦労しました。
しかしおかげで大分生活が安定してきました。手伝って頂いた方には感謝です。学校が始まるまで後四日あるので、今から何をしようかとダラダラしはじめています(苦笑)。
ちなみにルームメイトはヨルダン人のニヒルなおっさんとフィンランド人のパソコンオタク。あんまり干渉しないので、それほど接触はないのですが、何かと助けてもらっています。感謝。

HELSINKI01


ヘルシンキ中央駅/エリエル・サーリネン
ついにやってきた。

キアズマ(ヘルシンキ現代美術館)/スティーブン・ホール
展示も結構面白かった。

アカデミア書店/アルヴァ・アールト
きれいな内観。英語の本も沢山扱っているので行くことになりそう。

ヘルシンキ大聖堂
観光スポット。きれいでした。

マーケット
マーケットはいつでも楽しい。でも実際のところ他国のマーケットに比べたら今いちかな、、、写真は有名なキノコ。
ヘルシンキに着いて三日間はユースホステル暮らしでした。オリンピックスタジアムの近くにあるホステルで久々のユース生活をしましたが、結構いい雰囲気でした。また一年半世界を旅していて今十ヶ月目というザ・バックパッカーの人にも会いました。久々のバックパッカー節が懐かしく思いましたが、今回は僕は旅行ではない。時期も時期だけに、各国から集う人たちもこれから半年とか一年とかフィンランドで暮らすが、まだ入居できないのでユースに泊まっているという人が多かったです。
入居、各種レジストレーションは大分終わりました。ルームシェアメイトのフィンランド人にインターネットの設定をしてもらって、インターネットが繋がるようになりました。マジでよかった、、、
後はresidence permissionと日本大使館に在留届を出すくらいで後少しです。またいろいろ書いていこうと思います。

トリエンナーレ




越後妻有アートトリエンナーレ2006のオープニングに行ってきました。かなりいろいろな作品を見る事が出来、とても沢山の写真を撮ってよく撮れているのも多いのですが、プライベートなものではなかったので、ここであまりアップできないのが残念。せめて棚田の風景と、MVRDVの「農舞台」と、ある作家の作品(いずれもあまりよく撮れていない)だけアップします。今回は廃校などのリノベーションやコンバージョン、また古民家を使ってアートを展示したりするものが多くて、民家再生か、、、とかちょっと思ったりしましたが(苦笑)、いろんな切り口のものがあって素直に面白かったです。
印象的だったのは、クリスチャン・ボルタンスキーの作品、日芸の彫刻科の人たちの民家の柱や梁を彫刻刀で削るもの(!)、フィンランド人の作家が作った吊り橋の横にTシャツを吊った作品(写真)でした。あとはやっぱり「農舞台」がとてもかっこよかったのと、この辺り特有の「棚田」が素敵だったことでしょうか。そういえばキョロロには行けず残念。
ところで、パーティー会場では、ある建築家の方にフィンランドに留学する事を話していたら、写真の作品を制作したフィンランド人のアーティストを紹介して下さいました。どこの大学に行くの、なんて話を英語でしていましたが、会話は続かず気まずくなったので、とっさにフィンランド語で自己紹介を少ししてみました。大使館の人とかを除けばほぼ初めて直接話すフィンランド人。それがトリエンナーレに出品するようなアーティストだったのが不思議な感じでした。やや難しくなってついていけなくなったころ、「食券で何か食べる物を買いにいくわ」となったので、Kiitos! moi moi!(どうもありがとう、またね!)と言って名刺だけ交換してお別れしました。いずれにしろ語学の鍛錬が急務だなあ。

カウリスマキ


最近は暇を見てアキ・カウリスマキの映画を見直したり、新たに見たりしています。
*マッチ工場の少女(Tulttikkutehtaan tytto)/1990/フィンランド/97分
*レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ/1989/フィンランド・スウェーデン/78分
*レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う/1994/フィンランド/95分
*浮き雲(Kauas pilvet karkaavat)/1996/フィンランド/96分
カウリスマキの映画は、セリフが少ない、登場人物が無表情、尺が短いなどが特徴的だと思いますが、特に「ニヒル」なストーリー展開も独特でとても心地よいです。とにかく淡々と進むんだけどドラマチックで深くしみいる。そんなカウリスマキの映画をみていると、ふと日本映画、特にタケシ映画と似ているな、と思うことがあります。既に書いた特徴の他にも、ふとしたカット、例えば暴力シーン(そんなに激しいものではないけれど)では登場人物がさっとフレームアウトして音だけ聞こえて血まみれの人が出て来たりするところや、ナンセンスなギャグ、心ない優しさ、不条理な人間性なんかを見ていると、似ているなあと思ったりします。
また、音楽もとても独特でフィンランド独特の歌謡曲からロックンロールまで幅広く効果的に使われています。「過去のない男」では、日本の歌謡曲としてクレイジーケンバンドの楽曲が使われているのが有名ですが、とにかくいろいろな音楽が楽器隊の演奏からラジオの音、ジュークボックスから流れる音、いわゆる映画サウンドとは異なる形で現れてくるのがとても印象的です。ここばかりは近年のタケシ映画のように、音楽が作品の情緒やアイロニーまで強奪して一つの感情に向かわせようとするようなモノ(とても悪趣味な!)では決してなく、そこにいる個々人の感情であったり、あるいはそれと裏腹な旋律であったり、場を成立させるために必要十分なものとしてそこに流れているように感じます。
淡々とした「ニヒル」な物語や映像と音楽、それが静かに心に定着していく感じがとても好きだし、この「ニヒル」さをキャッチできる国民が沢山いる国だと、気が合いそうだなあなんて夢想して止みません。
写真は先日のIKEAの出口。おしゃれだと思った。

留学01|きっかけ


photo by gucci
留学をしようとしたきっかけは、修士を出て社会に出る前に海外に行ってみたいというのがスタートでした。一度社会に出てしまうとその後で海外に長期に行くことはまずないだろうという気がしたので。その中で、当時ロシアに行ったばかりということもあったり、ログハウスや木造建築についてのことを少しかじりはじめていたので、建築設計の修業を積むというよりは、ヨーロッパに出て見聞を広めたいというのがありました。木造に関する研究という理由もあって、分かりやすい大義名分もあったので、奨学金やアプライするときの理由となりやすいという打算的な欲望もあったりして。その欲望はその後にもろくも破れさってしまうのですが、、、
自分の身の周りの、当時の助手だった方がちょうど過去にフィンランドに留学していてよくその話を聞かされたのも理由のきっかけでした。デザインが洗練されていて(というイメージがある)、かつアールトが作った建物もたくさん見れて、ブロークンになるかもしれないけど英語のコミュニケーションの修行にもなる。もしかしたらフィンランド語も覚えられるかもしれないし、何より建築に対するある種冷めてしまった(?)思いを取り戻せるかもしれないというのもありました。さらに調べてみると、英語で授業が開講されており、かつ授業料も諸外国のそれと比べると破格的に安かったのもあります。
最近「どうしてフィンランドへ?」という質問を大人を中心に(苦笑)よくされるのですが、そういった複合的な要因が重なって折合いをつけたのでなかなか「こうです」という明瞭な返答ができかねるのが当面の悩みなのです。
次はもう少しいろいろ具体的に奨学金とか学校とかについてかけたらいいなと思います。

留学とか


先の九月から来年の六月までフィンランドにあるヘルシンキ工科大学という所の建築学科で勉強することになった。そんなわけで、そろそろ留学に向けての準備をしている。本当はいろいろと書きたいことがあるのだが、まだ準備の段階で本当に行けるのかまだ半信半疑なので、先走るようなことはあまり書けない。
今の時代はインターネットとかも普及して、海外からいろんな情報を発信している人たちが多くて情報収集という点で本当に便利だと思う。だからといって、海外に行くとはいっても個々人が抱える状況や目的、また能力は本当に人それぞれで、自分と全く同じ、あるいはよく似た情報を提供しているなんて場合は必ずしも多いわけではない。少なくとも自分もやや特殊な状況で留学する(予定)わけで、自分とよく似た状況を抱える人にこういう方法もあるんだ、という一情報を提供出来ればこのブログの存在意義もある気がする。
もっとも、私の場合殆どが「失敗談」なわけで、現在の状況にどうにかこうにか行き着いたので有用な情報が提供出来るとは思えない。失敗に学べ、とはよく言ったものだが、確かに自分にとっては精神論的に学ぶところが大きかったが(苦笑)人がその失敗談を見たところで同情はあるにしろ、じゃあどうすりゃ受かるんだ、となってしまったら、落ちたので分かりません、という他ない。予備校とかの合格体験記と一緒ですね。
いずれにしろ当初の目的である「留学」の一歩手前まではなんとかこじつけた。そんな中で、うまくいった部分、なぜうまくいかなかったか、自戒の念も含めてこれから少しずつ書いていこうと思う。また、リアルタイム的にVISAのこととかも書いていけたらと思う。書くネタもなくなってきたもので、、、
写真はゴールデンウィークにいった小湊鉄道の発着点。土砂崩れのための区間運休で、目的地の大多喜まではいけなかったので乗らなかったのだけど、、、

週末の映画


週末は二本映画を観る。一本はDVD、一本は劇場で。
*過去のない男/2003/フィンランド・ドイツ・フランス/監督・脚本:アキ・カウリスマキ/97分
「人生は前にしか進まない」
暴漢に襲われ記憶喪失になってしまった男が、見知らぬ世界で新しい希望を見つけ生きていくという話。非常に単純なストーリー構成の中に巧みに織り交ぜられた小さなエピソードが微笑ましく、淡々と、しかしながら緊密な画面構成で描かれていく事実の積み重ねが話に重層感を与えている。傑作。★4.5
*マイアーキテクト/2003/米/ナサニエル・カーン/116分
Q-AXシネマという新しく出来た映画館。オシャレな建物だが立地があまりにひどい。道玄坂のライブハウスやクラブ、ラブホテルなどが建ち並ぶ場所。なぜ映画館をああいうところに建てようと思ったのか本当に理解に苦しむ。夜のロードショーなんて一人でもう怖くて観に来れないな。ユーロスペースまでこっちに来てしまったけど、もう行くことは殆どなくなるだろう。
さて、肝心な内容の方だが、ルイスカーンについては今まで十分な知識がなかったので勉強にはなった。しかも、これまでなかったような知見、女性関係であるとか複雑な人間関係を中心に明らかにしていく手法自体は非常に好感がもてた。でも、ドキュメンタリー映画としてみた場合やや内容が退屈だったのと、無意味で感傷的な建築のカットの反復は正直耐え難いものがあった。建築を見せるなら見せる、見せないなら見せないとハッキリして欲しいというか。
と不満タラタラな感じになってしまったが、この映画をきっかけとして設計事務所で頑張る友人二人と久々に会えて刺激になったので★1.5

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