秋葉原の寒々しさ


続きといっておきながら、またブログを放置してしまった。
以前(ウェブ進化論)の話は、ここで全くまとまらない要約を書くよりかは、もう後はアマゾンとかで目次や解説を見てもらった方が余程よいと思われる。
ともあれ、『ウェブ進化論』を読んでいるとテクノロジーに対する信頼?ではないが、未来に対するポジティブな展望が開けてきそうになってしまうが、ふとした不安感も残る。
人と話していて気づいたのだが、世界中の「知」が急激に再編成されている中で、社会と密接不可分に進化してきた音楽や映画のような娯楽であったり、建築のような文化としての社会的インフラが、その形式や思考もまた大きな変化を余儀なくされている。


たとえば、戦争や厄災、あるいは景気や社会状況のような背景の上に成立してきた音楽(ビートルズはこういう時代に生まれて、、、のような)や映画の言説が、昨今のテクノロジーの発達で一気にクリエイティブ・コモンズのような著作権か、デジタルかアナログか、という話に転換されていってしまう。
建築はというと、特に建築家の言説は、個々の具体的な事例を中心にバラバラにそれぞれがまっしぐらに進んでいるような印象を受けるし、これからもそうであるような気がする。しかし、ポジティブに捉えて「建築家と建築屋の違いは(近代)建築史の中で自分がどのような位置にいるのか」を認識しているか否かというところにあるとすれば(「かっこよければいい」という、何を「かっこいい」とするかも含めて)、個々の具体的な事例に分化していくのも「多様性」の一つの有り様なのかなあ、という気もする。
これまでのような建築家の役割が、一般的な時代認識の中からは排除されつつある中で、建築における「知の再編成」、「経済の劇的な変化」、という中で社会と密接に関わっている部分といえば「開発」になるだろう。というのは、「開発」には駅前再開発のような大きなものもあれば、一つのビルの中を改修したりするある種「小さな開発」まである。ここでの「開発」という言葉はその地区や建物に手を加えることでポテンシャルを引き出すもの、という意味で。
つまり今の建築の状況をウーンと考えてみると、ボンヤリとした流行のような全体像があるにせよ、それは「多様性」と、もう一つは「開発」という事に落ち着いてしまう。
建築が「もの」であり、「そこに行く」という行為に依存するものである以上、リノベーションが云々、再開発の都市計画が云々ということが、昨今のウェブテクノロジーと密接に絡んでいるとはとても考えづらい(景気がよくなったとかはあるにしても)。しかし社会の要請としては、「小さな産業」と「大きな産業」にどんどん二極化することを考えれば関係ないわけではない。この時気になるのは、「建築家」は何をする人たちなのかということである。
「開発」の在り方(都市部)の二極化が進んでいくとすれば、「開発」をディベロッパーがやるのはそれとして、「プチ開発」とでも言うべき小規模なリノベーションのようなものは誰がやっているかと考えると、やはり小さな建築事務所、建築家が多いと思う。建築サイドから見ると、小さな極小空間をリノベーションして、素晴らしいものを作っている方も大勢いるのだが、逆にクライアント、例えばベンチャー企業を立ち上げる人からしたら、「チープ」な空間にわざわざ「建築家」に頼んでお金を払ってまで「いい感じ」にしてもらうかどうかということがある。自分達で出来てしまうからだ。
先に挙げた本の中で、将棋の羽生善治さんはこう言ったという。

ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に開かれたことです。でも高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起こっています。

建築は複数の業種が混じり合うし、専門性が高い分野だから、これが建築にそのまま当てはまるとも思えないけれども、今の時代だと何が起こるか分からない。
いずれにせよ、建築家は多かれ少なかれ、大規模・小規模に関わらず、やはり社会的インパクトを与えるような建築を作っていかなければならない。今、多くの人がデジタルに夢をみているように、建築に夢をみたいと思うからだ。
そのために必要なのは、人と違う「新しいものを作る」という事だけではないような気がしていて、もっと広義の「そうありたい」という社会的ヴィジョンを持たなければならないし、常に持ちたいと思う(古材を流通させたい、のような 笑)。
ところで数日前、秋葉原にいった。駅前のビルディングはもう完成していた。思えば毎日毎日竣工していく現場を見ていっていた気がする(電車から)。私が訪れた時には、人はまばらで、唯一、新築ビルの手すりを使って変態カメラマンが変態少女を激写していた。秋葉原の盛り上がりとは裏腹にとても寒々しかった。
話が脱線しまくり、抽象的になり過ぎました。次こそはもう少しうまく書きたいものです。
※ちょっとずつ書き直していきます。